グロが苦手なゾンビ

雑記ブログに転向しました。ホラー映画ばっかり見てると辛いもん。

IRON DOORS(アイアンドアーズ)

あいうえお順ホラー第7作目はこちら。

IRON DOORS

Iron Doors [DVD]

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昔はアイロンって読んでたなぁ

あらすじ
男が目を覚ますと、そこは大きな鉄の扉とロッカー、そしてネズミの死骸がある部屋だった。脱出しようにも扉はビクともしない。初めは悪戯だと思っていた男も徐々に不安になっていき、様々な方法で脱出を試みる。

感想
どうやって脱出するのか、誰が閉じ込めたのか、気になって没頭できる作品。是非何も知らない状態で見てほしい。良かった点は以下の通り。ややネタバレ。

超リアル脱出ゲーム
脱出ゲームに時間とメンタルの要素を入れると何とも恐ろしいホラーになる。ゲームと違って主人公はお腹が空くし、のども渇く。そんな極限状態では脱出ゲームの基本であるアイテムを組み合わせてみたり、隅々まで部屋を調べるなんてしている余裕はない。ただ単純に穴を掘ることしか出来なくなってしまうのだ。生きることに精一杯なので、自分の小便を靴に溜めて飲んだり、ネズミの死骸から出てくるウジ虫を食べたりもする。見ていてこちらも顔をしかめてしまう怖さ。実際に閉じ込められたらそうなってしまうのか、と主人公の変貌ぶりが極限状態をリアルに表現している。

溢れる低予算感
舞台はコンクリートの部屋が3部屋で登場人物も2人しかいないという低予算感。同じ低予算作品ではキューブに似てると思ったけど、キューブはトラップとグロがメインなので、棲み分けていると感じた。即死トラップだらけか虫がブンブンしてて衛生状態が最悪か、どちらかといえばどちらも嫌だ。

驚愕のラスト
全体的に謎は謎のまま解明されない。考察させるスタイルになっているのかこれは。あの衝撃のラストやネズミの死骸、扉が開くギミック、墓穴と穴の中のミミズ、ほとんど意味がわからない。でも脱出ゲームって脱出の過程がメインであってEDは雑なことが多いよね。脱出ゲームに影響された金持ちか宇宙人が実際に実験してみたという設定ならば、EDも脱出ゲームに忠実な作りになっていると思う。
適当に考察してみる。この作品は男の人生を表している。男の人生は閉ざされた社会(部屋)の中で食物連鎖の中で生きて(ネズミを食べたウジ虫を食べる)、仕事をして(壁を壊す、火を使う)、女性と出会ってコミュニケーションして(言語の違う女性と出会う)、共同作業をして(実際に以下略)、墓に入る(最後の部屋には墓穴と墓標がある)。そうすることで初めて楽園に行ける(ラストシーン)。多分そんな感じ。

まとめ
ラストがラストなので、人によって捉え方は様々だと思う。私は実際に起きたら怖いと思うし、どんどん極限状態になっていくのもリアルで面白いと思った。また、ストーリーもシンプルで登場人物も少ないので、余計なことを考えず、閉じ込められたときの恐怖にのみ集中できるのも良いところ。脱出ゲームとか好きな人にはおすすめ。

次回はアイスクイーン。
パッケージがセクシー。期待。

アンダーワールド 覚醒

あいうえお順ホラー第6作目はこちら。 

アンダーワールド 覚醒  

 ついにタイトルが漢字になった、これはデカい

 

あらすじ
吸血鬼族と狼男族のリーダーがいなくなり、平和になったかと思いきや、今度は人類が吸血鬼・狼男の殲滅に動き出す。主人公達も逃亡の末に捕まり、研究対象として氷漬けにされる。
12年後、何者かによって解凍された主人公は、解凍してくれたのが一緒に捕まった恋人だと信じて研究施設を脱出、解凍者を追跡するが、追いついた先にいたのは謎の少女だった。主人公と謎の少女の逃亡劇が始まる。 

感想
引き伸ばしが始まった。今作で最後だと勘違いしていた私も悪いが、それにしても前3作で上がってきたテンションがガクッと下がってしまった。要因は以下の3点。

化け物感が足りない
今回出てきたのは巨大な狼男だけ。巨大化するだけならバイオハザードの二番煎じじゃんと思ってしまう。主人公も女性だしね。原作のゲーム要素とか質量保存を完全に無視したグロい化け物要素とかアドベンチャー要素とかよっぽどバイオのが面白いよ。
今作ラストの『強大な敵が現れれば私たちも強くなる』的な台詞も?だよ。第二作の方がよっぽど怪物感がある敵だったし、今回そんなに強くなってないだろとツッコミ所多数。結局狼男も巨大化状態では倒せず、人間形態に戻ったところで倒す形だったし。
そもそもタイトルの覚醒がわからない。今までもタイトルがわかりにくいとは書いたけど、今回は何が覚醒したのか全然わからない。どうしてこうなった。
余談だけど、主人公が巨大狼男の背中を剣で刺すシーンを見て魔法陣グルグルを想像した人がいたら一緒に飲みましょう。肩の後ろの二本の角の真ん中にあるトサカの下のウロコの右!! 

今までの設定は何処へ
個人的には1作目で狼男族が執拗に青年を追っていた理由を知りたい。見逃してるか察することができてないかもしれない。でもせっかく三作目でリーダーを掘り下げて狼男族も可哀想なやつらなんだと思わせたのに、また完全に狼男族が悪者になってて非常に勿体無いと思う。これじゃあ青年が女の子に変わっただけだよ。

 俺たちの戦いはこれからだ
今までは、『まだ強大な敵が残っている』的な引きで終わっていた。それはまぁ少年漫画的な引きで許せた。しかし今作の『青年がどっかいっちゃったから探しに行こう』って引きはどうなんだろう。正直感動の再会で終わりで良かった。女の子の秘密なんてどうせ人口的に超人を作ったみたいな感じだろう。引き延ばす必要はあったのだろうか。今後に期待していいんだろうか。

 まとめ
せっかくテンション上がってきたのに、今まで築き上げた設定とかぶん投げて引き伸ばしてきたという印象。5作目は現在撮影中とのこと。個人的には人間VS吸血鬼・狼男同盟とか熱い展開になってほしい。実は狼男リーダーが生きてて主人公に背中を預けて戦って、最後に主人公を庇って倒れ、『今度は助けることができたぜ、ぐふっ』みたいな手に汗握る展開を頼む。

 

今回でアンダーワールドシリーズは終わり。
次回はIRON DOORS。タイトルからは全く想像がつかないぞ。期待。

アンダーワールド ビギンズ

あいうえお順ホラー第5作目は


アンダーワールド ビギンズ 

 タイトル順わかりにくいよね。一応3作目

 

あらすじ
はるか昔、一族の掟に逆らって恋に落ちた狼男と吸血鬼女の悲しい物語。

 

感想
第1作の吸血鬼ボスの娘と狼男族リーダーの禁断の恋のお話。前作までの吸血鬼視点とは打って変わって今作は狼男族のリーダーが主人公。

今までは狼男が悪で吸血鬼がヒーローだと思わされていたが、今作は狼男が吸血鬼に虐げられるシーンが多く、狼男族に対する視点が180度変わるような作りになっている。

 

親バカか掟か
今作は吸血鬼ボスにも大きく焦点が当てられている。実は彼が裏の主人公といっても過言ではない。このボスは親バカであるとともに一族の長でもある。

それ故に娘の我儘を許してあげたい気持ちと掟を破りまくる娘を許してはいけない気持ちが劇中で揺れまくる。何度もそのやり取りを追っていき、終盤の悩んだ末に娘よりも掟を取るシーンを見ると思わず鳥肌が立ってしまう。

まぁ最愛の娘がケモナーであんなことやこんなこともしてたらショック受ける気持ちはわかる。1作目でも酷い扱いだったし、可哀想なおじいちゃんだよね。ちょっと頑固なだけなんだよ。

 

狼男のリーダー
第1作のリーダーが掘り下げられていて、所々に1作目に通ずるところがあって良かった。

第1作でやけにキャラが立ちまくってた黒人狼男出てきたり、俺たちは獣じゃない!とリーダーが一喝するシーンとかね。話逸れるけど、黒人の声は超低音で渋いよね。他の作品でも見てみたい。

1作目では全然着目してなかったけど、1作目の主人公をこの狼男のリーダーはどのように思っていたのだろうか。1作目の主人公は今作のヒロインと瓜二つという設定なので、処刑された恋人と再会したようなもの。1作目を思い返すと、会話こそほとんどしてないものの、狼男のリーダーが主人公を見続けるシーンがあった気がする。

何気ないシーンでも伏線だったり上手くつくってあるんだな。感心。

 

まとめ
狼男リーダーの悲劇的な恋と吸血鬼ボスの2つの悲しみがとても心にグッとくる。

さらに、1作目を見返したくなる伏線回収と狼男族の見方が変わるといったどんどん面白い展開になっていく作品。

次回で最後になるが、どうやって畳んでいくのかとても楽しみだ。

 

次回、アンダーワールド 覚醒

アンダーワールド2 レボリューション

あいうえお順ホラー第4作はこちら。

 

アンダーワールド2 レボリューション

 シリーズものは1作目が1番ってよく言うよね

 

あらすじ(微ネタバレ有)
前作ラストで吸血鬼族のボスを倒してしまった主人公は、覚醒した青年とともに逃亡する。そこに、吸血鬼族の始祖である真のボスが復活、はるか昔に封印された狼男族の始祖である兄弟を復活させようと動き出す。吸血鬼族と狼男族はもともと同じ種族だったとのこと。始祖狼男の封印を解く鍵を握る主人公は強大な力を持つ敵に追われながら吸血鬼族と狼男族の秘密を明らかにしていく。

 

感想
アンダーワールド第2作目。相変わらずの申し訳程度のホラー要素だが、前作とは打って変わって、化け物バトルが多めで大迫力。1作目より遥かに面白かった。

 

化け物について
化け物感を上げているのが、今作で復活した真のボス。吸血鬼の始祖だけあって、翼で飛び回ったり、血を飲むだけで相手の記憶を鮮明にトレースできたりと、他の吸血鬼とは一線を画す存在。翼による突き刺し攻撃もカッコ良い。始めはなんで翼つけちゃったの?と思ったけど、コウモリだからそりゃ翼もあるかと納得した。吸血鬼は小さなコウモリになってバサーと飛んでいくってイメージは誰が作ったんだろう。悪魔城ドラキュラ


青年は前作のラストに真のパワーを発揮したが、今回は主人公を何度もアシストして大活躍。上半身裸でやけに骨ばった特殊メイク、さらに縮れたセミロングの黒髪なので、進撃の巨人の巨人版エレンに似てるとか思いながら見てた。ボディを殴って貫通させたり、上あご掴んで頭蓋骨引きちぎったりとかは進撃でもあったような気がする。やっぱり人間離れした体力には迫力を感じる。


あと今作では吸血鬼の眼の色がよく変わる。何がきっかけで眼の色が変わるかは言及されてなかったが、吸血鬼の凄みのようなものが出ているときは青白く眼の色を変えてたと思う。やっぱり大事なときに眼の色が変わるのはカッコいいよね。クラピカさんくらいしか思いつかないけど。

 

物語も前作見てれば分かりやすいよ
物語的には登場人物も少なく、1作目で設定等が頭に入っているので分かりやすかった。ただタイトルにもあるレボリューションは、確かに主人公がレボリューションしてたけど分かりにくかった。そのきっかけを与えた爺さんの強さがわからないので、いまいち強さが引き継がれたというのがわかりにくいし、パワーアップもほぼ腕力なのでわかりにくい。まぁ夜のシーンで凄く綺麗な肌を見せつけた主人公が、覚醒して生まれたてのエイリアンベビーみたいな肌になるのはあまり見たくはないよね。爺さんのパワーを次作で掘り下げてくれれば満足だ。

 

まとめ
シリーズものは1作目が1番面白いという先入観があった。今作は1作目があまり面白くなかったので、ほとんど期待していなかった。しかし、今作は違った。それ1作目でもやってたじゃん、みたいな無理やりな引き伸ばし感もなく、1作目で足りないと思ったところを補強しているようにも思えて、とても好感を持てた。正直このまま1作目から盛り上がりが平行線だったら地底世界の話でもしようかと思ってた自分が恥ずかしい。先入観は捨てましょう。

 

次回はシリーズ第三弾、アンダーワールド ビギンズ

アンダーワールド

あいうえお順でホラーを見る第三作目はこちら。


アンダーワールド 

 地底人の話だと思ってました。

 

あらすじ
現代、吸血鬼族と狼男族の数百年以上の戦いが吸血鬼族の勝利に終わった。落ち着いたかと思ってた矢先に、突然吸血鬼が狼男に襲われる。絶滅間際だと思っていた狼男族はまだ生き残っており、どうやら1人の青年を追っているらしい。なぜその青年を追うかわからないが、狼男族の再興を危惧した吸血鬼の主人公は復興の鍵を握るであろうその青年を探し始める。

感想
地底世界ではなく、普通に地上の異種族バトル物。ただし、吸血鬼も狼男も特殊能力みたいなものはほとんど無い。狼男が狼に変身するくらい。身体能力は普通の人よりも高いようだが、高いところから落ちても大丈夫!でほとんど表現されている。戦闘の大部分が銃撃戦で、吸血鬼は銀の弾丸、狼男は紫外線弾を使い、2~3発もらうと動けなくなる。そのため、種族特性にデメリットしかないように感じる。前回見たアイ・フランケンシュタインは種族の違いが分かりやすくてよかったな。
アクション映画の銃撃戦って主人公は棒立ちでバサバサ敵を撃ち倒していくのに、主人公には敵の弾が全然当たらないよね。今作でいうと、壁越しに主人公が銃を乱射して、壁向こうの兵士6人くらいを倒すシーン。相手も銃を持ってるのに、なぜ壁越しで一方的に倒すことができるのか。倒した後の謎の余韻によって、物語の鍵である青年が拉致されてしまうことも合わせて、とても印象に残っている。ボロボロになりながらも立ち上がって戦い、最後に自爆とかしたらいいのに。なんかターミネーターっぽいね。

物語の鍵を握る青年について
青年は何者なのか!を明らかにしていく2時間だが、二種族がいて奪い合うってだけでなんとなく途中でわかっちゃうよね。全然内容関係ないけど、青年役の人は人間の役なのに、素の運動神経が良いのか、吸血鬼よりも所々動きにキレがあるところが気になった。吸血鬼の屋敷から逃げるところとか特に。今作ではあまりアクションシーンはなかったけど、次作でキレッキレな動きに期待したい。

重要な人物を複数の組織が奪い合うような初期のからくりサーカス的展開は好きなんだが、続くことが分かってると、やっぱり感慨も中途半端になってしまう。あと3つあるので気長に楽しもう。

次回はアンダーワールド2エボリューション。

アイ・フランケンシュタイン

あいうえお順でホラー映画を見る2作目はこちら。


アイ・フランケンシュタイン 

  フランケンウィニーが見たいです。

 

あらすじ
フランケンシュタインの怪物(以下フランケン)と悪魔、ガーゴイルの三つ巴の戦いが始まる。

 

感想
これがホラーならロードオブザリングもホラーじゃないかな。ゾンビとかグロに期待する人は見ないほうが良いかと思う。逆におすすめするかっていうのも難しい。それほどごちゃごちゃしている印象。強いて言えば、いるかわからないがフランケンが大好きな人か、中世が舞台のかっこいい映像が好きな人にはおすすめ。

 

愛されないフランケン
映画では原作ラスト、北極のシーンから始まる。私は伊藤潤二フランケンシュタインしか読んだことないが、wikiでもいいので見ておくと話に入りやすい。

原作を適当に書くと以下の通り。
博士に作られる
暴れてたら博士に逃げられる
いろいろあって人に嫌われる
博士を探し出して恋人が欲しいと頼む
断られ、人間に絶望し、旅立つ
博士に北極までストーカーされる
博士が死ぬ

確かに映画の大部分でフランケンは愛されない。悪魔やガーゴイルは大人数で戦争を繰り広げるが、フランケンはほぼ1人。中盤は戦争がメインで置き去り感すらある、かわいそうな主人公である。ただ残念なことに、映画を見ているときはアクションとか映像が気になってフランケンの孤独は感じられなかった。

この映画の気になるところはフランケンがイケメンということ。映画なので仕方がないところもあるだろう。しかし、原作で恋人を欲しがるのは見た目が醜く、誰からも愛されないからではなかったのか。実際に映画後半ではヒロイン?と良い感じに手も取り合っちゃうし。怪物というほど巨体でも醜いわけでもなく、フランケンらしいのは顔の傷だけ。ちょっとインパクトが小さかった。

 

映像かっこ良い
CGを使った効果とか雰囲気は良かった。悪魔を倒すと炭火のように燃えたあと火の玉となって飛んでいったり、ガーゴイルが人間形態へ変身するときゴツゴツした翼がフワッとマントになったり、ガーゴイルが死ぬとき光の柱になって天に昇っていったり、といった映像がCG全開で美しい。アクションもスローモーションが少し多いが、悪魔をバッサバッサとなぎ倒していくシーンはかっこ良いかった。

 

設定ごちゃごちゃ
悪魔はフランケンが持つフランケンシュタイン博士の日記を使ってフランケンのような人造人間を作ろうとしており、ガーゴイルは悪魔から人類を守っている、という設定。悪魔ですら作れない人造人間を人間の超科学なら作れるっていうのがよくわからないし、そもそもなぜ天使ではなくガーゴイルなのかとか気になってストーリーについていけなかった。戦闘シーンやガーゴイルの拠点は中世で、ステンドグラスとかすごく良い雰囲気出してるのに、バイオみたいな真っ白な超科学の実験室が出てくるのも少しギャップを感じた。

 

まとめ
科学とか悪魔とか魂とか面白そうな設定が盛りだくさんなのに、アクションとか映像が際立ってストーリーがよくわからない話になってしまった印象。そしてホラーじゃなかった。

次からアンダーワールドシリーズが始まる。
シリーズものは不安だなぁ。

AAAH! ゾンビーズ!! 俺タチだって生きている

あいうえお順にホラー映画を見ていくシリーズ、第1作目はこちら。

AAAH! ゾンビーズ!! 俺タチだって生きている 

 まさに出落ち。

 

あらすじ
軍は秘密裏に殺人兵器(薬品)を作っていた。ある男にその薬品を実験してみたところ、なぜか男はゾンビとして復活し、逃亡。軍は失敗作であるその薬品を廃棄することに。しかし、廃棄の途中で薬品を流出、たまたまアイスクリームの原液に混ざり、それを食べた主人公達4人はゾンビになってしまう。ゾンビとなったことに自覚がない主人公達と実験台の男は、道行く人々に恐れられることを不思議に思いながらも、思い思いに行動を始める。

 

感想
ゾンビになった自覚がない主人公達と人間のすれ違いをいろいろなアイデアで表現しており、意外に見ていて楽かった作品。グロも少ないよ。見所は以下の通り。

 

白黒とカラーの2つの視点
この映画、『ゾンビがゾンビになったことに気づかなかったらどうなるのか』がテーマ。それを視覚的に分かりやすくするために、白黒とカラーの2つのシーンが使われている。

映画では白黒とカラーのシーンが度々繰り返される。白黒のシーンは人が見る視点、カラーのシーンはゾンビが見る視点となっている。
カラーのシーンでゾンビ達が普通に振舞っているつもりでも、白黒のシーンでみるとまともに話すことができないフラフラしたゾンビそのもの。バレバレなのである。そのギャップが面白い。
また、カラーシーンでは人間の会話や行動のスピードが映画の早送りのように表現されている。ゾンビは動きが遅いので、ゾンビ視点のカラーシーンでは相対的に人間は早くなる。それに気づいたときには少し感心してしまった。

 

サイレンに似てる
この映画、設定がサイレン(ゲーム版)に似ている。多分誰もが思う。サイレンは屍人というゾンビみたいな元人間が襲ってくる中、屍人の視界を盗み見る特殊能力を使って隠れたり戦いながら目的を達成していくアドベンチャーゲームである。この屍人も自分が常人、常人が屍人と思い込んでおり、常人と屍人の壮大なすれ違い(殺し合い)が繰り広げられる。視点を変えるという設定もよく似ている。オマージュかわからないが、サイレンの映画版もやり方によってはこんな感じに面白くなったのかなと思う。また、こんな設定でも作風次第でバカバカしく作れるんだな、と感心した。

 

まとめ
1作目からB級感漂うタイトルでテンションが低かったが、割と面白かったのが悔しい。細かいことを気にせず、ちょいグロ系で笑いたい人は楽しめるかも。