グロが苦手なゾンビ

雑記ブログに転向しました。ホラー映画ばっかり見てると辛いもん。

アパートメント:143

あいうえお順ホラー第21作目はこちら。

アパートメント:143

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 意外に覚えやすいタイトル。

 

あらすじ
LAのアパートに母親のいない3人家族が住んでいた。彼らは空き部屋のはずの上の階から物音がしたりと超常現象に悩まされていたため、3人の超常現象専門家に依頼することにする。そこで巻き起こる数々の超常現象、そして専門家達が明らかにした真実とは。

感想
超常現象をあの手この手で明らかにしていくことが本作のテーマ。特殊なカメラワークと科学的アプローチが面白いと思った作品。

カメラワーク
本作では手持ちのビデオカメラの映像と調査と称して設置した複数の監視カメラの映像によって進行する。他にも赤外線カメラ等も登場し、バラエティ豊かな映像が楽しめる。そこがパラノーマルアクティビティやRECに代表されるPOV※とは一味違う今作の特徴。
※フィルムを用いる大型のカメラではなく、小型のカメラを用いて撮影する技術
POVは臨場感があって面白い。安いし狭い部屋でも撮影できるので意外に合理的らしい。是非ともVR技術と組み合わせて、より臨場感のある映画体験をさせてもらいたいものだ。
今作は監視カメラによる映像もあるので、POVによる主観だけでなく、気づいていないところで起こる超常現象も表現できている。何よりも主観続きで飽きることがないのがとても嬉しい。ずっと主観だと正直疲れてしまうよね。

科学的アプローチ
専門家チームは精神科医や特殊機材の専門家であり、彼らが扱う胡散臭いが謎の説得力がある理論が面白い。
・イオンを放出すると帯電して霊を可視化できる
・ストロボで連続して明かりをつけると霊が現れやすい
・超音波をだすと霊が逃げる
などなど。これがゴーストバスターズだと馬鹿馬鹿しくて笑っちゃうんだけど、バカ真面目にやってるので、もしかしたらと信じてしまいそうになる。
アナベル 死霊館の人形』は幽霊と悪魔の違いを論じたが、今作では超常現象には3つのタイプがあると論じられる。その中でも、生きた人間起因の超常現象があるという考え方は面白く、この理論をもとに真相へアプローチしていくことで登場人物の人間関係も深堀していくストーリーは見事と言える出来栄え。
そしてラストのオチが全てを物語っている。前に見た『操り人間』では、ラストにただ驚かすだけのオチは自己満足でしかないと書いたが、今作は物語の全てを皮肉ると言っても過言ではないビックリオチとなっており、最後までよく考えられた作品だと思う。

まとめ
他作品とは一味違うが、色物で終わらない底力を感じる隠れた名作。何気にメイキングムービーも面白いので観てみると良いよ。

次回はアーバンエクスプローラー。

アナベル 死霊館の人形

あいうえお順ホラー第20作目はこちら。
アナベル 死霊館の人形

 今までで最怖なパッケージ。

あらすじ
出産を間近に控えた主人公夫婦。些細な喧嘩で妻が機嫌を損ねてしまったので、夫は長年欲しがっていた人形をプレゼント。その晩、突然2人の悪魔教信者が進入して夫婦を襲い、1人が人形を抱えて自殺する事件が発生。妻は一命を取り留めたが、その日を機に怪奇現象に襲われるようになる。

感想
悪魔のホラー。人形に悪魔教信者の血が流れることで悪魔が取り憑き、家族の魂を喰らおうとするお話。残酷描写はほとんどないが、人形が醸し出す独特の雰囲気が怖い作品。

こんな人形怖いに決まってるじゃん
とにかく人形が怖い。エクボが特に不気味。捨てても戻ってくるし、時々血まみれの女と黒い悪魔のスタンドを繰り出す。能力は回りくどく人を殺すこと。
呪われる話は悪魔の棲む家でもあったけど、あちらと違うのは家を引っ越しても怪奇現象が持続すること。それは本作でも以下のように説明されている。
○幽霊:家に取り憑く
→引っ越せば怪奇現象は収まる
○悪魔:人形などの触媒に取り憑く
→引っ越しても怪奇現象は続く

この理論からいうと悪魔の棲む家は幽霊の棲む家になる。確かにあれは幽霊だったよね。
劇中では可愛い人形として扱われており、プレゼントされて喜ぶシーンがあるが、海外では普通なのだろうか。あんな怖い人形プレゼントされたら泣くわ。

回りくどく人を殺す能力なので、悪魔が非常にいやらしい。誰もいない部屋のレコードやガスコンロを動かすなんて序の口。特に必見なのがエレベーターのシーン。悪魔のいる地下室から逃げたいのに、上がっても上がっても地下室に到着してしまうのはまさに絶望。始めの1-2回は全く動かないでエレベーターの扉が開くのだが、3回目はエレベーターが動き、ついに上がったと思わせる。思わせておいての地下室。天才的ないやらしさである。

主人公を追い詰めて、『私が死んだらみんな幸せになれる』と思い込ませるまでは良かったんだけど、その後のオチがちょっといただけない。悪魔は正直『お前誰だよ』って思っていいと思うよ。

まとめ
いやらしさが恐怖になることを知ることができた作品。グロ無しで怖い作品が見たい人にはおすすめ。

次回はアパートメント143。パッケージから怖い。

アザーズ

あいうえお順ホラー第19作目はこちら。

アザーズ

アザーズ [DVD]

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 ニコールキッドマンとナタリーポートマン混同してた。

 

あらすじ
とある屋敷に母親と子供2人の家族が住んでいた。急に使用人がいなくなったため、新たに3人の使用人を雇うことに。その家には子供が日光を浴びると呼吸困難になるのでカーテンをあけてはいけない、ドアは2枚同時にあけてはいけないといった奇妙なルールが。
さらに奇妙なことに、子供の1人が自分たちの他にも住人がいると言い始める。初めは冗談だと思っていた母親だったが、徐々に別の住人の存在が明らかになっていく。謎に包まれた家族の秘密とは。

感想
幽霊のホラー。ニコールキッドマン主演。ホラーが苦手な人でも楽しめる作品だと思うよ。ネタが全てなので、見てない人は注意。ややネタバレ有り。

叙述トリック
シックスセンスに激似だよね。よく2年後に出すことができたものだ。リアルタイムで見た人はまたか、と思ってしまったのではないだろうか。ただし、ネタは同じでも見せ方はこちらの方が面白い。その理由は2つある。

1つ目の理由は登場人物が多いのでオチまでの予想が付きにくいこと。途中でネタが何となくわかるのはシックスセンスも同じなんだけど、シックスセンスはほぼ1択なのでネタが分かったらオチが読めちゃうんだよね。その点、今作はネタが分かっててもこっちか、あっちもかとワクワクしながら見ることができる。

二重でネタを仕込んでいるのが2つ目の理由。シックスセンス的なネタの裏にもう1つネタを仕込んでいて、こちらは気づくことができなかった。だって幽霊は人間が見えると思うじゃん普通。机をガタガタ揺らすところは、よくあるホラー演出を逆手に取った、にくい演出だと思ったね。

まとめ
いわゆる叙述トリックが好きな人は楽しめる作品。グロとかビックリに期待する人はぬるま湯かと。中盤くらいからいかにオチを読むかの勝負が始まる。結構書いちゃったけど、見てない人はやってみて。

次回はアナベル 死霊館の人形。今話題の死霊館のオリジンらしいが、もちろん死霊館は未視聴。先に見てしまっていいんだろうか。ってかパッケージ怖すぎ。

操り人間

あいうえお順ホラー第18作はこちら。

操り人間

操り人間 [DVD]

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 原題はCASSADAGA。アメリカの地名。誰が邦題考えたんだろうね。

 

あらすじ

妹を失い傷心の主人公(女)は、とある富豪の家に特待生として招かれ、教師をしながら美術を学ぶことになった。ある日、たまたま知り合いになった友人に連れられて霊能力者を訪ねることに。霊と話ができるとのことなので、死んだ妹と話そうとするが、別の怨念に取り憑かれてしまい、、

感想
奇人と幽霊のホラー。奇人に殺された幽霊に取り憑かれて振り回される主人公の不幸を描くストーリー。あんまり面白くなかった。

無駄に多い設定
奇人と幽霊の共演というだけでお腹いっぱいなのに、必要そうで必要のない設定がポイポイ出てくる。秀才な妹設定とか主人公の耳が聞こえない設定とか冒頭のアレを切っちゃうシーンとか二階の変態とか必要だったのかな。不要なものが多いくせに大事な設定は掘り下げが足りず、中途半端な印象。やるならとことん掘り下げてほしかった。

行き当たりばったりな展開
妹死亡から霊能力者、取り憑かれて奇人コースはちょっと強引な気がする。妹が死んだのは霊能力者に繋げたいからとしか思えない。
奇人は悪魔のいけにえレザーフェイスのパクリで設定も中途半端。追いかけられるシーンとかそっくり。本当にあれを切ったにしては見た目が男らしすぎるんだよな。
タイトルも名前負け。まともにタイトルっぽいことをしてるのは2シーンくらいしかないし、動機もよくわからない。冒頭から想像すると心は女という設定。美しい女への嫉妬が奇行の動機ならば、秘密の地下室では女の服装や化粧をするとかして変態性を出すとかやりようがあったのではないか。まぁ操り人間にする意味はそれでもわからないのだが。
オチの導入も雑。車で逃げきったと思って歓喜のあまり暴言吐くのはいいんだけど、それで対向車とぶつかりかけてクラッシュするのはベタすぎてがっかりだよ。感動させようとする妹とのからみも、そのシーン冒頭にもあったじゃん、としか思えなかった。
ラストCパートも本当に意味がわからない。最後にビックリさせてやったぜ(ドヤァ)ってことなのかな。製作者の自己満足にしか見えないんだよね。

まとめ
見ていて何がしたいのか本当によくわからない。この文章力で言えたことではないが、キャラ、ストーリーぬ筋が通っていないと感じる作品。

次回はアザーズ。おすすめの棚にあったので面白いでしょう。期待。

アナトミー2

あいうえお順ホラー第17作はこちら。
アナトミー2

検索するとグレイズアナトミーばっかり出てくるね。自分的にはアナトミーといえばアナトミー2。

あらすじ
体が動かなくなっていく難病の弟を持つ主人公。念願の医学生となり、自分の正義を貫いて立派な医者になることを決意する。ある時、人工筋肉を研究するチームに勧誘われ、弟の病気を治す糸口を掴んだと思ったが、そこは倫理の壁を越えて医学を追求する秘密組織だった。

感想
前作と同様に医学と奇人のホラー。前作は秘密組織を明らかにしていく話だったが、今作は秘密組織に入るか否か思い悩む若き主人公の話。

今作は前作と違って秘密組織がオープンになっており、主人公が正義、秘密組織が悪という対立になっている。前作がミステリーなら今作はヒーロー物と感じる。舞台はそれに似つかわしくないが、主人公の正義の心や若さ、主人公を甘く誘惑する悪の組織と美女、そしてヒロインによって覚醒する主人公と、ヒーロー物の要素を多大に持っているからだ。しかも、まさかのアクションシーンまである。人工筋肉を入れた主人公の医者とは思えないフットワークは必見。

主人公がどん底から逆転勝利するところは見てて爽快。特に病院から抜け出すシーンや敵に操られているフリをするシーンはこいつすげぇって思うよ。まぁ出来過ぎてる感もあるんだけど、ヒーロー物と考えればお約束だよね。
また、主人公は秘密組織の悪行を暴くために、学内のほぼ全ての医者を敵に回しており、医者に絶望したかと思いきや、ラストはすごく前向きなこと言っていてかっこいい。絶対できる自信がありますよ、、一度は言ってみたい。

まとめ

勧善懲悪と前向きなラスト、非常に清々しい作品だった。ホラーやグロは前作より少ないので、そちらに期待してはいけないが、たまにはこういうのもあっていいよね。

次回は操り人間。笑うところなのか?

アナトミー

あいうえお順ホラー第16作はこちら。
アナトミー

 食事中はおすすめできない。

あらすじ
医学生となった主人公、医者である父親の反対を押し切り、念願の有名大学に入学する。大学に向かう途中、心肺停止で昏睡状態になった青年を救助したが、数日後、解剖学のサンプルとしてその青年は横たわっていた。何か引っかかる主人公は独自に青年の死体を調べていく。

感想
医学と秘密組織と奇人のホラー。売りは医学の闇を追求するストーリー。ホラー的な要素よりも『実はこの人は』な展開が多めなので、誰がサイコ野郎何だろうという視点で見ると面白いよ。

この映画は医学の追求と倫理の壁が重要なテーマ。人を救うためには医学を追求しなければならないが、医学を追求するためには倫理の壁を越えて人をバラバラにしなければいけない、というジレンマは不謹慎ながら面白いと思ってしまった。クローン人間とかもそうだけど、倫理を越えてやりたい放題したい人はいるよね。
今の医学の進歩にはたくさんの犠牲があることは間違いないし、倫理上問題なければという人も少なからずいると思う。その辺がリアルに感じられる作品。病院に行くときは犠牲となった人たちへの感謝の心を忘れずに。

続いて次回はアナトミー2。

アウトブレイク ライジング

あいうえお順ホラー第15作はこちら。
アウトブレイク ライジング

アウトブレイク ライジング [DVD]

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どこかで見たことあるタイトル

あらすじ
人工衛星に隕石が直撃、とある自然豊かな村に落下した。ただの山火事だと深刻に考えなかった村人だったが、突然人間が内臓まで食べられる事件が発生する。それを皮切りに次々に人間が発狂し、村人を襲い始める。

感想
ゾンビと銃と地球外生物(エイリアンウイルス)のホラー。売りは全速力で走ってくるゾンビを銃で倒しまくるところかと。それは悪くないんだけど、お話が面白くない。その理由は以下の2点。
1.森と展開
2.投げっぱなしの打ち切りエンド

 

1.森と展開
この映画は緑豊かな村が舞台なんだが、それにしても豊か過ぎる。6割くらい林道のシーンだった気がする。背景を描くのが面倒で森でばかり戦っていたバトルマンガがあったけど、そんな感じだったのかな。
普段緑に囲まれたログハウスみたいなところに住んでる子供が林間学校(自然教室?)に行ってるところも違和感。自然大好き過ぎだろ!都会行けよ!
初めはヴィレッジのように、世界から隔離された人達の話かと思ったが、そんな話でも無かった。
森の何が残念かっていうと展開が単調になるところだよね。基本的には草陰からゾンビがダッシュしてきて襲いかかってきて、食べられるか銃で撃退するかの2パターン。軍隊とか出てきたなら、派手な防衛戦とかやってくれれば良かったのに。
銃持ちが強すぎるのもね。ショットガンはまだわかるんだけど、全力疾走するゾンビに対してハンドガン両手持ちで連射して一撃一殺してるのはどうなのか。それはそれで爽快ではあるんだけど、FPSを見てるような感じしかしないんだよね。

2.投げっぱなしの打ち切りエンド
ネタバレしてもネタバレと言えないほどオチが弱い。逃げることが目的なのに逃げきれてないし、主人公の出番が少なく全然キャラが立ってないことに加えて、恋人との絡みも希薄なままで感動の別れって言われても全然感動しない。
唯一良かったのは、ラストの車内のシーンでゾンビが見えないようになってたこと。カップルの顔がアップで交互に映されるので車外はほとんど見えず、雑音かと思いきやゾンビの声が聞こえ始め、最後には大量のゾンビに囲まれている。それを音だけで表現しているのは面白いと思った。
冒頭のマトリックスっぽいフォントの『94種が22種になった』ってなんだったんだろうね。あとゾンビの頭から出てくるものはエイリアンベビーかな?所々謎を作っていて、次回作に引っ張りたい気持ちがみえるよね。
長編ってやっぱり難しいと思う。おそらくこの映画って起承転結の起しかないんだよね。だから『これで終わり?』と思ってしまうんだけど、起だけで1.5hあるならまだまだ濃厚な話になるかもしれない。とっておきの世界観があるならば少しでも見せて欲しかった。ただし、ゾンビが走るのは二番煎じでインパクト薄いからなぁ。次回作には期待できないかも。

まとめ
エイリアンとかゾンビとかめちゃくちゃ好みなテーマなんだけど、展開やキャラ、オチなどが足りていないという印象。あんまり見ないほうがいいかも。

次回はアナトミー。絶対グロい。鬼門。